慶應義塾大学大学院 経営管理研究科の磯辺剛彦教授が座長となって、中堅企業研究会という組織を立ち上げています。
そこでは、年間売上高10億円から1000億円の企業を中堅企業と定義し、中堅企業に特化して研究をしています。


中堅企業研究会は、日本の中堅企業を調査対象として、中堅企業の経営状況、日本経済における地位・貢献、他国との比較についての調査、および当該企業が直面する課題や問題の把握、競争力研究、施策への提言などを行っているそうです。

そして、中堅企業研究会の活動成果のいくつかは、『中堅企業フォーラム』で公表されています。
例えば、『強い中堅企業のかたち 中堅企業研究会レポート2014』『中堅企業調査第1回』『中堅企業調査第2回』といったものがあります。

ところで、なぜ中堅企業を取り上げるのかについては、磯辺教授は、以下のように説明をしています。
「これまでの研究の対象から、中堅企業はぽっかり抜け落ちていた」と説明しています。
例えば、ビジネススクールでのケーススタディでも、その多くは大企業かあるいはベンチャー企業・中小企業が主役のことが多く、中堅企業は「中途半端な存在」として軽んじて扱われてきた。
しかし、東大阪の企業100社にインタビューを実施した際、そのうち7割を占めた中堅企業は明らかに大企業とも零細企業とも異なるマネジメントを行っていることがわかった。企業の成長ステージに合わせて、経営課題や成功要因は異なるのではないかという仮説に行き着いた。*1


『「企業の成長ステージに合わせて、経営課題や成功要因は異なるのではないか?」という仮説に行き着いた。』とのことですが、これは仮説ではなく、事実だと思います*2

ビジョンや目的が明示されているか、黙示のものか、はたまたビジョンや目的なんてないかも知れませんが、それも含めて各社の実態(ビジョンや目的)は異なります。
さらに、大企業・中小企業・中堅企業というカテゴライズをするかどうかに関係なく、企業規模、業界、業種、そして置かれている立場など、各社各様に違っているわけです。
ビジョンや目的が違えば、当然、とるべき経営戦略や事業戦略も変わってくるはずです。
もしかして、そんな現状を無視して、多くの会社が、成功している大企業を真似(模倣)して、成功しようとしているのでしょうか?
いやいや、さすがにそんなことはないように思います*3

いずれにしても、このような研究結果が蓄積されフィードバックされていくことは、実務サイドとしても、成功している他社情報の入手が容易になりますので、非常にありがたいです*4

引き続き、活動を続けて、成果発表をして頂きたいものです*5


<脚注>
*1 「中堅企業研究会」が発足、慶應大 磯辺剛彦教授・タニタ・ライフネットら。
*2 経営(学)については素人ですが、実務サイドの人間にとって、「企業の成長ステージに合わせて、経営課題や成功要因は異なるのではないか?」という感覚的、経験的には明らかで、これは自明の理ではないかな?とも思ったりもしています。。。
*3 少し上の企業規模の同業他社の成功事例を紹介しても、当社にはムリ、みたいな反応をする会社を見ていたりすると、そう簡単に他社の真似(模倣)をする企業ばかりでもないと思いますが・・・。
*4 もちろん、成功事例の真似(模倣)だけでは、差別化要素になりませんし、競争優位性を築けませんので、更なる工夫や自社向きのアレンジが必要です。
*5 できれば無料ないしはできるだけ安価にお願いします。