お笑い契約文例集の第3弾。

趣旨は、こちら


今回は、当社がライセンシーで、ライセンサーからの契約をレビューしていたときのことでした。
ライセンス契約では、ライセンシーが特定の行為を行う場合に、ライセンサーから事前の書面による承諾を得るように規定することがあります。

甲=ライセンサー 乙=ライセンシー

第○○条 (乙の責務)
乙は、以下の各号に定める行為を行ってはならない。ただし、甲の事前の書面による承諾を得た場合は、この限りでない。
(1) 略
(2) 略
(3) 甲または第三者の著作権等の知的財産権を侵害すること。
(4) 略
・・・・・


この条項を素直に読むと、ライセンサーである甲の許諾を得れば、甲または第三者の知的財産権侵害行為を行うことができる、というものですよね?

乙 : 「えーっと、甲または丙(第三者)の知的財産権を侵害するようなことをしたいのですが、書面で承諾してもらえますか?」
って、お願いしたら、書面で承諾してくれるのかな?
そんなこと、してくれないなら、不要な条項だし、してくれるとして、

契約当事者である甲については、許諾があるということで(それならそもそも理論的には侵害ではなくなるはずですが、まぁ百歩譲って)意味のある規定になるかもしれませんが、さすがに第三者の知的財産権侵害の行為を行うことの許諾をもらっても・・・。
ライセンサー(甲)は、許諾したことによって生じた結果について、保証(or 補償)してくれるのでしょうかね?
たぶん、してくれないですよね(苦笑)