前回、最終回といっておきながら、なんですが・・・。

実際にロースクールを卒業され、一般企業に就職をされた方々のブログを幾つか拝見しました。
その中でも、特に以下の二つは、参考になると思います。
○ 法科大学院生の就活ブログ
○ ロースクール就活生の思うこと


まぁ、興味のある方々なら既にご存知とは思いますが。。。
少し補足というか、私にできることもあると思ったので。

まず最初は、
○ 法科大学院生の就活ブログ
です。

私の過去の記事とは異なり、職種別採用ではなく、基本的に総合職として就職活動をするときのお話が中心で、いろいろと参考になると思います。
何よりも、ところどころで筆者の経験を「ひとつのサンプルにすぎません。」としているあたりが、そんじょそこらの就活本とは違って、正直でとても良いと思います(笑)。
こちらのブログの筆者の蕾さんは「自分に合うもの、共感できるもの、これは使えそうだな、と思うものについて取捨選択してやってください。」とも言っています。
全くそのとおりだと思います。
というのも、自分自身の経験(これは面接される側の経験です。3回転職をしていますので、細かい回数までは覚えていないですが、合計すると結構な数になります(笑))を踏まえていうと、採用面接においては、本当の自分の価値観に基づいた言動をしないと、単に相手方の企業に自分を合わせているだけであり、その結果、仮に就職することができても、長続きしないと思います。
もちろん、何がなんでも長続きさせないといけないということでもないので、目的を持って、企業にあわせて採用面接だけクリアするということがあっても良いと思います。
ただ、採用面接の際に、自分を偽って採用企業側に合わせるには相当の技量が必要だと思います。普通の方が、20代の就職面接で無理にこれを行えば、言葉に詰まったり、論理矛盾を起こしてしまうと思います。

さて、この「法科大学院生の就活ブログ」には、『ロースクール生の就活について(その2)』というエントリーがあり、そこで、
『①「法曹にならないの?」
まず、ロースクール生に必ず飛んでくる質問は

「法曹にならないの?」

です。

<略>

「なるつもりはありません」と明言して、
しっかりと面接官を納得させる理由を述べましょう。
ここは必ず聞かれるのできちんと言えるように準備しておきましょう。
まがりなりにも専門職業訓練校に通っていたわけですし、
当初は法曹になろうと思っていたはずですので、
そこがなぜ一般就職に転じたのかは説得的に論じる必要があります。』
という記述があります。

この記述、そのとおりだと思います。
私が面接官でも、必ず聞くと思いますし、この質問への回答は難しいとは思いますが、合否に影響する回答ですので、しっかりと準備して回答する必要があると思います。

決して簡単な試験だとは思っていませんし、卒業後何年もかけてチャレンジすることが色々な意味でリスキーであることは理解しているつもりですが、やはり、「合格する自信がない。」と受け取られる回答をされると、どうしてもマイナス評価になってしまいます。
では、どのように回答すべきなのか?

この点、
『法曹ではなく企業の方がいいと思った積極的な理由を語りましょう。』
と言っている蕾さんは本当に優秀な方ですね。
この視点から回答をされると良いと思います。

さらに、私からアドバイスを、

弁護士はあくまで代理人であって、本人ではありません。
従って、法務部に比べると、かなり受動的、受け身です。
(もちろん、弁護士さんの方から仕事を取りに行く、つまり、営業をかけることはできますが)
やりたい仕事があっても、企業(法務部)からの依頼がなければできません。
法務部で対応できることは、対応してしまうので、ある意味弁護士さんより仕事が選べます。
実務の最前線であり、法律だけでは裁き切れない様々な問題に携わります。
法律も裁判も、あくまでも問題を解決する際のひとつの道具です。
法律を意識しつつも、法律以外の道具を使って問題の解決を図ることもあります。

以上を踏まえて、
『弁護士になりたいと思ってロースクールに進学しましたが、ロースクールの実務家(弁護士)教授と話をして行くうちに、弁護士はあくまでも代理人であって、本人(企業等)からの依頼がないと、仕事をすることができません。思った以上に、受動的で受け身な職種だと思いました。
私自身は、主体的積極的に物事で動かしていきたい性格なため、弁護士と比較するとより主体的積極的に法的知識・素養を生かせる企業法務で仕事がしたいと思ったからです。」
と言った回答ができると思います。

もちろん、あなたが「主体的で積極的な人」であることが前提の回答です(笑)。

「主体的で積極的な人」であるとアピールするのが、合わない性格の方は、例えば、
『ロースクールで勉強をして行くうちに、法律も大事だが、世の中は法律だけ動いているわけではなく、法律を踏まえつつも、法律だけでは処理しきれない実務の世界で仕事をしたいと思ったからです。』
また、志望理由と絡めて、『弁護士は、依頼者によって、どのような内容の仕事するかが変わってしまいますが、企業の法務部であれば、私が志望する貴社の事業領域(ビジネス)において、法的な知識や素養を生かせるため、より自分がやりたいことができると考えたからです。』
と言った回答もできると思います。

蕾さんもおっしゃっているように、あくまでこれらは一例にすぎません。
これらを参考にしつつ、あなたの価値観にあう、あなた自信が心底納得できる回答をすることが重要だと思います。

なお、『なぜ司法試験を受けないのかという質問について』というエントリーでも同様のことが書かれています。こちらも参考になると思います。

続いては、こちらのブログ。
○ ロースクール就活生の思うこと
の紹介もしたいところでしたが、だいぶ長くなってしまったので、次回に。