今回は、ロースクール卒業生の就職活動への助言の2回目です。
少しでもお役に立てればと思い、また少し書いてみたいと思います。

さて、前回は企業サイドの採用のポイントを以下のようにまとめてみました。


1 当社で長期間働いてくれそうか?
2 コミュケーション能力が高いか?
3 文書力があるか?
4 論理推論能力があるか?
5 柔軟性があるか?
6 勉強熱心か?
7 社風(当社法務)にあうか?

基本的には、上記ポイントの総合判断なのですが、企業サイドとしては、「1 当社で長期間働いてくれそうか?」は重視していると思います。
もし、これを重視しない企業だとすると、今話題の「ブラック企業」の可能性が非常に高いですね(笑)。
いくら就職したいといっても、三振していない限りは、お勧めしません。。。
もちろん、すべてを承知した上で、『キャリアを積むため「ブラック企業」でも行く!』と強い決意を持っているのであれば、それはそれで道が開けると思いますので、良い選択となる可能性がありうると思います。

では、具体的に、企業サイドは、「1 当社で長期間働いてくれそうか?」についてどのように判断しているのか、書類選考時と面接時とに分けて説明したいと思います。

1 書類選考時について
業界や業種とその会社を志望した理由が、きちんと応募書類に書かれているか?
意外と、この点が疎かな応募書類が多いのです。
ロースクールを卒業しているし、法務部への就職希望なんだから、法律の知識や法的思考ができることがきちんと企業サイドに伝われば採用されると思っていませんか?
仮に、そうは思っていなくても、実際は、そのように思われてしまうような応募書類になっていませんか?

ロースクール卒業生が、自己分析をして、自己の強みは法律の知識であると考えて、法律の勉強をしてきたこと、法律を使った仕事がしたいことといった、法律(法務)に関することだけを書いてくると、企業サイドとしては、「別に当社でなくても良いのでは?単にどこでもいいから就職したいだけなのかな?法務の仕事をして経験を積んで、転職する気かな?それとも、司法試験があきらめきれていない?」と思ってしまいます。
自己の強みとして、ロースクールで法律を勉強してきたことをアピールすることは大事ですが、それと同じくらい、いやそれ以上に、業界や業種とその会社を志望した理由をきちんと書くことです。
さらに、志望する(応募した)企業の商品やサービスが利用できるなら実際に利用した上で、その商品やサービスを扱う企業で働きたいことをアピールすることで、企業が実際に会ってみたい人(の応募書類)になると思います。
ちなみに、笑い話ではなく、結構ありがちで、本当に笑えないのは、間違えて、同業他社の商品やサービスの名称をあげる方がいますので、この点は、十分ご注意下さいね(苦笑)

2 面接時について
さて、無事に、書類選考を通過し、面接をすることになったとします。
面接でも、やはり、書類選考時と同じように、業界や業種とその会社を志望した理由を聞かれることになると思いますので、その時は、基本的に、応募書類に書いたことと同じことにプラスαして答えるようにして下さい。
そして、その際に注意をして欲しいことは、企業の法務部がどのような仕事をするところか、ある程度理解をして回答をすることです。
特に、法律事務所と企業の法務部の違いは十分認識して、回答して下さい。
そうでないと、「企業の法務部員は弁護士資格がないだけで、実際の仕事は法律事務所の弁護士と同じようなものだから、弁護士になる代わりに企業の法務部で法律に携わる仕事したい。」と考えている、と企業サイドに思われてしまう可能性があります。
つまり、本当は弁護士になりたかった、または法曹になる夢をあきらめていない(たとえ、一般企業の法務部に就職できたとしても、近々、弁護士になって法律事務所で働きたい)のだけれど、諸々の事情から、今は就職せざるを得ないので、とりあえず同じような仕事をしている一般企業の法務部に就職したい・・・、と企業サイドに思われないようにして下さい。
企業サイドに、そう思われてしまうと、「当社で長く働いてもらえないかも」とか、「企業の法務部と法律事務所の弁護士では仕事の内容が異なるのに、このままに当社に入社すると、遅かれ早かれ、こんなはずじゃなかった。辞めたい。。。とミスマッチを起こしてしまうかも?」となり、採用されない可能性が高まります。

確かに、ロースクール卒業生にしてみれば、まだ働いたこともない企業の法務部のことをある程度知った上で面接に臨まないといけないというのは、酷に聞こえるかもしれません。
ただ、ロースクールまで卒業したのに、法曹になろうとはせず、一般企業の法務部で仕事したいと思って面接を受けるわけですから、そこがどのようなところかよく知らないということが、企業サイドにどのように受け取られる可能性があるか、少し想像してみて下さい。

「ロースクールで法律を勉強してきました。法律には自信がありますし、なんでもやります!」
「一般企業の法務部がどのような仕事をしているかは良く分かりません。でも、大丈夫です!!」

企業サイドは、何を根拠に、この発言を信用すれば良いのでしょうか(苦笑)。

というわけで、一般企業の法務部に就職したいのであれば、新卒の方がされているのと同じように、(法務部員の)OB・OG訪問をするとか、知り合いの法務部員の方から企業の法務部がどのような仕事をしているのかお話を聞いてみて下さい。
知り合いがいない場合は、ネット上でも、法務部員の方がいろいろと情報発信していますので、そういったところからも情報収集できると思います。

もちろん、こんな話を聞いてみたいというご要望が頂ければ、可能な限り、当ブログでも紹介して行きたいと思います。

さて、次回は、残りのポイントで重要な点について説明していきたいと思います。