法科大学院(日本版ロースクール)の卒業生で、一般企業に就職したいという人が増えているようですね。
理由は、様々のようですが、制度的な問題もあるようで、素直に大変だなと思います。
最近、私も知り合い(後輩)から、法科大学院を卒業して一般企業に就職したいのだけれど、どうしたら企業法務に就職できますか?という相談を受けました。


私自身は、ロースクール卒業生ではありませんし、私の就活は15年近く前なので今の時代直接役に立つことはないように思います。。。
ただ、私が所属していた企業は職種別採用をしていたため、私は2003年頃から法務知財部門の新卒と中途の採用を書類選考から面接までしてきました。実際に、ロースクール卒業生の採用をしたこともあります。
そこでの経験を踏まえて、私自身が採用側の立場で感じたことや考えたことなどを後輩に話しました。
今回は、そのとき後輩に話したことを書いてみたいと思います。


まず前提として、今回は、職種別採用をしていた企業での私の新卒ないし第二新卒採用の経験をもとにした話ですので、職種別採用や法務部へ配属するために人材の募集をしている会社に応募するときの参考にして下さい。
(なお、職種別採用や法務部へ配属するために人材の募集をしている会社の探し方は、機会があれば後日。。。)

最初に、企業サイドの採用のポイントをまとめると、以下のとおりです。
1 当社で長期間働いてくれそうか?
2 コミュケーション能力が高いか?
3 文書力があるか?
4 論理推論能力があるか?
5 柔軟性があるか?
6 勉強熱心か?
7 社風(当社法務)にあうか?

基本的には、上記ポイントの総合判断で決めます。また、採用人数が決まっているので、相対評価で決まります。
たまに、甲乙つけがたいときがあり、その際は、当初よりも採用枠を広げて採用することもあります。

さて、既にお気づきの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そうなんです。採用のポイントに、法律知識は、入っていないんです。
何故かというと・・・いろいろと理由はありますが、今回は、次のポイントを理解して頂ければと思います。
(次回、もう一つの理由についても、書きたいと思います。)

ごく一部の例外(たとえば、天才と呼ばれるような人とか)を除いて、基本的に知識の量は費やした時間で決まります。したがって、法学部生よりも法科大学院生の方が法律知識の習得に時間をかけているのですから、法律の知識量は多くてあたりまえです。この部分は、相対評価において、差別化要因にはなりません。

また、企業の法務部員(社会人と言い換えてもよいと思います)になって役立つのは法律の知識だけではありません。
汎用的な知識としては、英語や最近では中国語といった語学という知識がありますし、また業界や志望先企業の製品やサービスに関する知識も非常に重要な知識です。
ロースクール卒業生が法律を一生懸命勉強していたように、他の方達も法律以外の、例えば英語を一生懸命勉強していたとします。法律も英語も、今後、企業法務で仕事をする上では、必要な知識です。
従って、費やした時間に見合う法律知識をアピールすることは必要ですし、企業サイドも法律知識があることを評価しますが、それと同じように企業サイドは英語の知識や業界に関する知識がある人を評価しますので、法律知識があるというそれだけでは決め手にならないのです。
もし、ロースクール卒業生のあなたが法律知識だけしかアピールできない、もしくはアピールしていないとすると、かなり厳しい戦いになると思います。
企業の採用担当者は、ロースクール卒業生に法律知識があることを前提として、上記の1〜7のポイントを見ていくからです。

次回は、上記1〜7のポイントをもう少し具体的にみて行きたいと思います。