最近ある企業の法務担当の方とお話をしていて、その方が「なるべく公平な契約条件となるように交渉することが、会社の方針である。」とおっしやっていました。


そのため、最初から一貫して公平な条件となるように、交渉をするそうです。
とりあえず自社に有利なドラフトを提示し、基本的に修正は不可と言ってから、交渉を開始するということはしないそうです。

このような交渉をすることのビジネス上のメリットは、契約相手先に中長期的にお付き合いしたい相手だと認識してもらえることにあるそうです。
特に、「ビジネス上の力関係を前面に押し出した交渉は、自社に力があるときは良いが、環境の変化が激しいこのご時世で、常に強い立場にいられるわけはなく、ビジネス上の力関係を前面に押し出した交渉は自社が苦しくなったときには、誰も味方になってくれず、会社を取り巻く環境は急激に悪くなってしまう。」と言う趣旨の発言が印象的でした。

そう言われてみて、最近、大幅な最終赤字を出している関西のとあるメーカー2社のことを思い出してしまいました。
私自身、直接契約交渉をしたことはないので、あくまで聞こえてくる評判だけですが、まぁ、なんというか、とある企業の法務担当の方のお話がそこに繋がってしまいました。。。

とは言っても、「なるべく公平な契約条件となるように交渉することが、会社の方針である。」という発言、方向性は、(抽象的には)理解できるのですが、個別の案件について具体的に何が「公平な契約条件」なのかを判断するのは、極めて難しい気がします。
前述のお話をしてくださった法務担当の方とは、業界が違うからかもしれませんが。。。

個人的には「公平な契約条件」かどうかよりも、①不利な契約条件の後出しはしない(都合の良いセールストークに終始しない)、②交渉に応じれるところ、交渉に応じれないところを(最初からでなくても良いが)早めに明らかにする、といった「誠実な交渉を行う」という方針でも、前述の法務担当の方が達成したい目的と同じようなことを達成できるような気がしています。