自社の事業領域でよく必要となる契約書は、ひな形化されていることが多いと思います。
しかしながら、ビジネス上の力関係等で自社のひな形が使えず、相手方のドラフトをレビューしないといけないこともあると思います。
経験豊富な契約担当者であれば、相手方のドラフトをレビューしながら、足りない条項があれば追加することも容易だと思いますが、契約担当者としての経験が浅いと、相手方のドラフトの既存の条項を修正することはできても、足りない条項を追加するのは意外と難かしいものです。
そこで、新人法務担当者のために「チェックリストシリーズ」と称して、各種契約の条項毎の項目を列記し、チェックリストとして利用できるものを作成してみました。
今回は、秘密保持契約です。

チェックリストに入る前に、本チェックリストシリーズの使用上の注意を。。。
漏れのないチェックリストにするために、できるだけ広く項目をあげました。
従いまして、これらの項目のすべてが必要ということではなく、当該ビジネスとの関係でその条項が必要かどうか判断をする必要があります。
場合によっては、あえてその条項を規定しないという対応が必要な場合もあります。
以下の項目のすべてを規定する必要があるわけではなく、あくまで検討が必要な項目という位置づけです。
なお、〔*〕の印がついている項目は、国内の契約ではほとんど見かけない条項(項目)であり、もっぱら英米法系の契約において規定される条項(項目)です。
国内の契約でこのような条項があっても法的には問題ありませんが、違和感を感じる法務担当者が多いように思います。

<チェックリスト/秘密保持契約>
 □ 目的(秘密情報開示の目的)
 □ 秘密情報の定義(秘密情報の例外)
 □ 秘密保持義務(・内容 ・目的外使用の禁止 ・複製制限 ・アクセス制限等)
 □ 秘密保持期間
 □ 秘密管理体制(・秘密管理責任者の設置 ・届け出)
 □ 従業員の誓約書
 □ 権利(知的財産権)付与および約束の不存在
 □ 知的財産権の取り扱い(知財権が発生する可能性がある場合)
 □ 返還・破壊・破棄義務
 □ 権利義務の譲渡の可否
 □ 損害賠償
 □ 差止め命令による救済〔*〕
 □ 分離可能性(可分性)〔*〕
 □ 完全合意〔*〕
 □ 存続(残存)義務
 □ 準拠法〔*〕
 □ 紛争解決(裁判管轄 or 仲裁等)
 □ 誠実協議義務